最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス
池谷 裕二
ナガセ 刊
発売日 2002-03
高校になると勉強内容が急に難しくなり、ついていけなくなったと悩んでいる高校生は多いに違いない。だが、勉強方法を変えることでそんな悩みは解消できると説いているのが本書。高校生の年頃は脳の性質の転換期に相当し、記憶のパターンや種類が変化して、丸暗記よりも論理だった記憶能力が発達する。だから、それに合った勉強法があるというのだ。
本書では、気鋭の脳科学研究者が、科学的根拠に基づいて脳のルールや記憶のメカニズムを分かりやすく説き、「記憶力を鍛える方法」を伝授する。そもそも脳は、物事を忘れるようにできており、記憶させるには脳をだますしかない。それは繰り返し覚えること、つまり「復習」が必要となるが、復習の仕方にも効果的な方法とタイミングがある。また、睡眠は記憶の定着に大いに寄与している。だから、徹夜の勉強は非効率というわけだ。さらに、記憶には「経験記憶」「知識記憶」「方法記憶」があり、知識記憶を高度な経験記憶としていくことや知識記憶を方法記憶に結びつけていくことが記憶する上でのポイントだとし、そのための勉強方法を解説する。
『高校生の勉強法』という書名から一般の人は手に取りづらいので、その点で損をしているが、脳と記憶のメカニズムを知る上では一般の人にもおすすめの好著である。とくに中学、高校の子どもがおり、勉強に悩んでいるようであれば、子どもと一緒に読んで効率的な勉強法や記憶について考えてみてはいかがか。(清水英孝)
学習法としては最も説得力ある良書、ただし他の書との重複が多すぎ 2008-02-18
脳科学者である池谷裕二氏の著書。高校生またはその親、教師を対象とし、脳科学研究結果から導かれた最も有効な勉強法を、根拠を述べた上で説明している。心理学的な側面からみた学習法などもコラムとして加えているほか、受験生の意見や感想にたいする著者の意見を収載している。ほとんどが平易な文章であると同時に、難しい専門用語には説明を付けており、高校生以上であれば数時間以内に読破可能。
本著者の優れている点は、すべての提案に対して根拠となる明確な研究結果を述べている点である。無責任な啓蒙書の多くは経験則に基づく方法で科学的根拠に乏しいものであったり、一見斬新でトリッキーな方法であったりするが、そのような方法でうまくいく者は、科学的に正しい方法で学べばもっとうまくいく可能性を捨てていることになる。したがって、本書の内容の多くは比較的オーソドックスであるかもしれないが、このようにしっかりした根拠のある方法を厳格に行うことが最良であると予想される。最終的にはやる気になることが重要なのだが、本書では多くの受験生の励みになるような工夫も見られる。エビングハウスの忘却曲線などを例にして、ヒトの脳には個人差が少ないことを述べている点などである。その上で、有効な記憶方法や復習方法、学習の順番などを示唆している。また、本書を読めば、自然科学が面白そうだという気になるし、本書で推奨されているような参考書を買って試してみようという気にもなる。さらには、著者自身がそうであるように、受験を目標として勉強を行うのではなく、その先にある人生まで見据えて行う姿勢が重要であるという示唆をしている点に好感がもてる。
勉強法を述べた書としては最高傑作に挙げられる書と思う。ただし、問題点として、一冊の独立した書としての完成度を目指すのであれば、読者が読むかどうかは別としても、他の書同様に根拠となった参考文献を示すべきであると思う。また、本書は同氏の『だれでも天才になれる脳のしくみと科学的勉強法』との重複が多すぎるので、この2冊を購入すると損する点を考慮して出版すべきである。以上考慮して星4つの評価。
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